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映画が暴力だと感じた日
9月19日

転職して週休1日になってしまったため、休日を有効に使いたいとは思うが、まだ体が言うことを聞かず、今日も午後から外出。休むだけの休日にはしたくない。
ブラジル人からも強く勧められていて気になっていた映画「パッション」を見るために、世田谷線を使って下高井戸シネマへ。数年ぶりに来たが、ピンク映画館に変わっていなくて一安心。
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問題の映画「パッション」は、僕の脳天を軽く突き破るほど破壊的な映画だった。パッションとは普通に訳せば「情熱」だが、この映画ではキリストの「受難」を意味している。パッションフルーツ、パッションケーキなどなど、「パッション」といえば「熱いぜ南国!」というイメージがあったが、そんなイメージはこの映画によって一瞬にして崩れ去った。
この映画ではキリストが大司祭によって捕らえられ、十字架を背負ってゴルゴタの丘で最後を迎えるまでが描かれているが、米国全土ではR指定にされるほど、キリストへの暴力シーンはあまりにもリアルで残虐な演出がなされている。今まで、映画を見て気持ち悪くなったことはなかったが、今回は少なからず何度か吐き気がして、トイレに行こうかと思った。監督のメル・ギブソンはこのリアルすぎる演出に対して、「私の望みはユダヤ人を非難することではなく、キリストが我々の罪を償うために味わった恐ろしい苦難を目にし、理解することで、人の心の深いところに影響をあたえ、希望、愛、赦しのメッセージが届けられることだ」と言っている。残虐シーンは過剰ともとれるが、メル・ギブソン的にはそんな演出がなければこのストーリーは完結し得なかったのだろう。
しかし、僕が脳天を突き破られたのはそんな残虐シーン自体ではなく、最もこの映画を見て痛感したのが、映画の持つ「暴力性」である。
今から4年前、僕は中東を旅していて、イスラエルにも立ち寄った。しかし当時の目的は、病床にいた祖母の回復を祈って嘆きの壁に頭を合わせることだったため、ヴィア・ドロローサ(悲しみの道:キリストが十字架を背負って歩いた約1kmの道)を辿る理由もなく、全部で14ヶ所ある巡礼スポットのうち数ヶ所しか行かなかった。今思えばもったいないことをしたと思うが、それ以上に悔やまれるのは、キリストが裸足で歩いたであろう道を、何の創造力もなしにただ単に「観光スポット」として通りすがってしまったことだ。映画では街並みや石畳の路地などの背景が巧妙に再現されていたが、その再現力があって初めて僕はあの時見て歩いたヴィア・ドロローサが現実に存在したもの、あるいはそうであったのだろうと認識できた。つまり、パッション(キリストの受難)が映像化されて初めて、僕はあの街路を歩いた価値がわかったのである。
「映像」の力はやはり強力だ。そしてひどく暴力的だ。映像によってたしかに僕はヴィア・ドロローサの価値を認識できた。でも一方で、あまりにも本物っぽい「パッション」の映像は、たとえば僕がもう一度あの地へ足を運んだ時、間違いなく真っ先に浮かばれることだろう。僕の想像力を働かせることなく、「キリストはこのようにして歩いたのだ!」と言わんばかりに、映像が頭から離れることはないだろう。
それってある意味、非常に恐いことだ。僕の想像力はたいしたものではないことはわかっているけど、それでもこの映画の映像によってさらに想像力が失われてしまうのだ。大袈裟に言えば、僕は映像の奴隷になってしまった。
映画の暴力性は巷では以前から言われてきたことだけど、初めて僕は身を持って感じたような気がする。映画とはひどく感染性のあるウィルスでもあることを認識しなくてはいけない。
by hayatao | 2004-09-25 02:27
英語の歌
転職したおかげで、ここ最近なかなかゆっくり音楽を聞く時間がなくなっている。
そんな自分には電車の中が最もゆっくり音楽を聞ける環境だ。

普段ブラジル音楽以外はあまり聞かないのだが、TSUTAYAで借りてきたミッシェル・ブランチのセカンドアルバム「Hotel Paper」を聞いてみた。彼女はサンタナ繋がりで初めて知った経緯があり、The Game of LoveのPVを見たときに、その個性的な美貌にやられてしまった。ヘッドフォンを通じて体内に入ってくる彼女の声は、かなり心地が良かった。「美声」というにふさわしい声の持ち主だと実感。アラニスやシェリルクロウを聞いたときには全くピンと来なかったが、彼女の歌声とソングライティングには脱帽だった。。
でもやっぱり英語はカッコよすぎるというか、部分ではなく全体として聞くと流れるような音で、そこらへんがポルトガル語とは徹底的に異種なものだ。母音が多いからだろうか?例えばベベウ・ジルベルトは流暢な英語でたくさんの曲を歌っているが、彼女の場合もポルトガル語と英語では全くニュアンスが違ったものに仕上がっている。カエターノにしてもそうだ。
流れるように聞けてしまう分、単語単語が持つ言葉の強さというものがあまり感じられない。そう感じてしまうのはやっぱり自分が英語を話せないからだろうか…。
by hayatao | 2004-09-16 01:35
予感とサンダル
仕事で某出版社雑誌Tの編集長と打ち合わせ。
今まで「出版社の編集長と言うのは曲者ばかりだ」と思っていた。が、今日お会いした方は、姿格好こそ業界の人っぽかったが、日本人にはあまり醸し出せない紳士な方で、ユーモアに溢れ、イベントも大好きで、フットワークも軽く、とても魅力的な方だった。ぺーぺーの僕のような若造にも対等に語ってくれる姿勢は、人付き合いをする点で非常に参考になった。
こういう出会いをするとどんどん自分が磨かれていくような気がする。
と同時に、どんどん忙しくなる予感!
帰宅後、ブラジル人の親友から小包が到着。早速封を開けると、中にはBanda Evaのベスト版CDとHavaianasの真っ白なサンダルが入っていた。僕がIvete Sangaloファンであることを覚えてくれていたのは嬉しいが、まさかさすがの友人も、今夏から日本でこれだけHavaianasが発売されていることを知らなかったのだろう。素直に喜んでもいいのだが、ここは敢えて、havaianasが日本で大量に流通していることを伝えることにしよう。べらぼうに高い値段と一緒に。笑
Iveteの声を聞いて床に就きます…。って無理かな?
by hayatao | 2004-09-14 03:29 | お仕事
参道徘徊
今日は昼過ぎまで仕事で表参道の雑貨屋へ。打ち合わせを済ませた後、会社の人たちと表参道沿いにあるカフェへ。2階に上がりオープンテラスで昼ビール。琥珀色の飲み物はやはり昼間に飲むと格別にウマイ!しかも表参道を眼下にしながらの昼ビールは最高。なんてお洒落なんでしょう。まぁランチメニューの価格もお洒落だったけど…。
でも今までそこがカフェだと知らなかった。というのも、ガラスがスモークになっており、中が一体何になっているのか分からなかったからだ。一度行ったことがある人でないと、なかなか入ることができない作りになっている。こういう隠れ家的なカフェやバーが昨今増えてきているのは事実ですね。ラフォーレから程近い表参道沿いのカフェです。黒いファサードの建物です。ひとりで入る勇気のある人はぜひ!
続いて久しぶりに本屋めぐり。ブラジル大使館近くの古本屋さん、ワタリウム美術館、ナディッフなどなど。岡倉天心の孫が書いた書籍を発見。途中寄り道をしつつ、久しぶりに青山-表参道周辺を徘徊。いささか歩き疲れたが、仕事漬けの平日とはまたちょっと違った刺激を受けた。仕事用に塚本さんの本と革スニーカーを購入。ショッピングをちゃんとしたのは一体いつ振りだろう…。
今週から職が変わり、何だかライフスタイルが変わり様な予感がする。
by hayatao | 2004-09-12 10:44 | 東京散歩
遅れるということ
今週頭から始めるはずだったこのブログだったが、今日になってようやく始めることに決めた。5日間の遅れ…。カリオカにしたら”早すぎる”遅れだろう。
遅れと言えば今朝の山手線。たった18分の遅れだったにもかかわらず、渋谷駅の改札には「遅延証明書」を受け取る人だかりができていた。
そもそもこの「遅延証明書」などという物は、他の国にも存在するのだろうか。やっぱりドイツあたりにはあるのだろうか?少なくともブラジルにはない。南米一忙しい都市、サンパウロの地下鉄にもそんなものはなかった。
ブラジルに関わらず、ラテン系の国では、例えばパーティーなどに招待された場合は1,2時間遅れていくのがマナーとされている。しかし、現実はそんなに甘いものではなく、たとえば遊ぶ約束をしたとしても、2,3時間は待たされ、しかもその挙句にドタキャンなんてことはざらにある。そんなことをされた時こそ、どんなに自分がブラジルびいきであっても、結局は日本人なんだ…と気がつく瞬間なのである。
時間に対する感覚というのは、地域や民族、国によって違うだろうし、それはきっと後天的なもの。しかも一度身についてしまった時間の感覚は、そう簡単には崩せない。日本でこれだけ「スローフード」「スローライフ」など「スロー」と言った言葉がもてはやされるのも、おそらく日本人的な時間の感覚があるからこそ。ブラジルで「スロー」なんて言ったって、きっと通用しないだろう。

先週末、渋谷のファイヤー通り沿いにあるカフェを通りががったら、車通りの激しい車道を眺めながら酸素を吸っている若い男を見かけた。世も末か?それともカッティングエッジなのか?果たしてミヒャエル・エンデの「モモ」の世界のように、時間を売買する時代はやってくるのだろうか…。
by hayatao | 2004-09-11 02:22 | お仕事



「すべての道はブラジルに通ず」リオ育ちの日本人による徒然日記。ブラジルの建築・デザイン・サッカー関連のことが中心です。建築設計事務所での修行を終え08年12月よりサンパウロ勤務。カステラ工房主宰。
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僕は世田谷区による下北沢再開発計画を断固として許さない!ブラジル南部の環境都市、クリチーバ市の元市長のジャイミ・レルネル氏も代替案を提案しています。

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