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トリックスター:須藤元気語録
ご無沙汰してしまいました。
日中はモルディブ中学校の実施図面、夜は問題集たちと苦闘する毎日。
試験まであと1ヶ月弱。もう奇跡を信じるしかありません・・・。

せめて帰りの電車の中くらいは息抜きに建築とは関係のない本を読んでます。
そこで最近出会ってしまった極上の一冊がこちら・・・

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「神はテーブルクロス」須藤元気

須藤元気さんと言えば元格闘家で、試行錯誤された入場シーンやパフォーマンスで格闘技の世界を革新させたトリックスターです。去年の年末のK-1 PREMIUM 2006 Dynamiteにて、リング上で突如引退を表明。
去年潔く引退してしまったスポーツ選手でショックだったのは誰かと聞かれれば、某サッカー選手ではなく僕は須藤元気さんだと答えるな。

彼がエッセイを書いているというのは知っていましたが、本まで出版しているとは知りませんでした。しかも3冊も!一回読み始めたら止まらない止まらない。一気に読破。

須藤さんは学年は一コ上ですが僕と同い年生まれ。
それもあるのか、普段考えていることや社会観、哲学のようなものが恐いくらい近いものがあって、心の琴線に触れたレベルではなく、音叉が激しくブルブルブルと共振したという感じでした。本を読んでて鳥肌が立ったのは久しぶり。

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「風の谷のあの子と結婚する方法」須藤元気

はい。ご察しの通り、宮崎駿のナウシカです。
「世界を敵と味方だけにわけたら、すべてを焼き尽くすことになっちゃうの」というナウシカのセリフに"We are all one"という須藤さんが発信するメッセージが重ね合わさって付けられたタイトルです。風の谷、ナウシカのイメージはやっぱり水色ですね。

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それでは最後に印象に残った須藤元気語録を・・・

・人間の魅力は、自分自身を解放すればするほど深まっていく。
・あなたが笑わずに、鏡の中の人(あなた)を笑わせるのは無理なのである。
・自分の立ち位置でベストを尽くせば、悩みに費やすエネルギーは減少し、意味のない後悔や不安から開放されていく。
・悩みは悩みに対する悩みでしかない。
・沈黙の力を信じれば、沈黙から答えが生まれてくる。一人と孤独。前者は自分を高め、後者は精神を衰退させる。
・いい人間関係とは、奪い合いではなく、与え合いです。
・「人を判断しない人」であれば、その人はきっと魅力的だと思います。あの人はこうだ、あの人はどうで、この人はああで・・・と、意味のない判断をしない人です。
・人生なんて所詮はギャグですから、人はみなダチョウ倶楽部です。
・練習ではディティールを追求し、本番では大胆に行く
・継続し続けることにより、一定の臨界点を超えるとすべてが変わります。


ぜひチェックしてみてください。1冊1時間もあれば読めます。
特に最近笑ってないな、疲れた顔してるな・・・という方は是非。
思わず笑みがこぼれてくるはず。電車の中ではちょっと注意だけどね。

須藤元気公式サイトはこちらから>>>

ちなみに上記2冊とも、装丁デザインは鈴木成一デザイン室によるものです。
NHKプロフェッショナルの現場でやってましたね。
神はテーブルクロス
須藤 元気 / / 幻冬舎
風の谷のあの人と結婚する方法
須藤 元気 / / ベースボール・マガジン社
幸福論
須藤 元気 / / ネコパブリッシング
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by hayatao | 2007-06-30 10:08 |
笑う建築家と笑う建築
たまには日本の建築の話でも・・・

職業柄、都内でやっている建築系の展覧会にはなるべく足を運ぶようにしているのですが、ここ数年間で見た展覧会の中で最も"面白くて、笑って、夢のある世界を見せてくれる"展覧会に出会いました。

b0020525_2521790.jpg「藤森建築と路上観察
第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展 4/14~7/1」
at 東京オペラシティギャラリー

この展覧会、昨年の第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展で開催された「藤森建築と路上観察:誰も知らない日本の建築と都市」の帰国展覧会です。
展覧会詳細についてはこちら>>>

建築史家・建築家の藤森照信さんと言えば、路上観察学会のメンバーでもあり、建築探偵団の主催者でもあります。今をときめくスター建築家、伊東豊雄氏曰く、「実際に建築を<見る>ことにかけて彼の右に出る者はいない。」

藤森さんについてはこちら>>>
路上観察学会についてはこちら>>>
その路上観察学会のメンバーが集まった豪華なオープン記念講演(4/26)にも行ったのですが、未だかつて経験したことのないほど"笑った"講演会でした。超満員だった会場は笑いが絶えることなく、僕らには決してない団塊世代のみなぎるパワーみたいなものを垣間見た気がします。

それはさておき、長年東大と言うアカデミックな場所で日本の近代建築を研究してきた藤森さん。実ワ、東北大学の学生時代、小田和正氏と同級生。・・・ま、それはいいとして、そんな彼が建築家としてデビューしたのが44歳の時(1991年)。郷里の長野県茅野市の依頼で作った「神長守矢史料館」でした。世間的に藤森さんの建築が広まったのは、1995年の自邸「タンポポハウス」じゃないでしょうかね。

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↑「神長官守矢史料館」長野県茅野市(1991年)

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↑「タンポポハウス」東京都国分寺市(1995年)

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↑「高過庵」長野県茅野市(2004年)
そしていまや代表作と言われる、長野県茅野市の高過庵(たかすぎあん)。
3本の柱で支えられた高見台。(本当は2本で支えたかったとおっしゃってしましたが。。)
一度見たら忘れられない強烈な御姿です。

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↑「ラムネ温泉館」大分県竹田市(2005年)
個人的に好きな作品。素材の組み合わせと、たてものの表情が天才的。

作品はこれくらいにして、今回の展示の話をしましょう。

いわゆる建築系の展覧会に良くある、キレイな模型とズバっと決まった写真、そしてコンパクトにまとめられた密度の薄い図面で見せる手法とは全く違います。そして客層も違う。建築系の展覧会には珍しく、女性が圧倒的に多い。それに腕を組んで難しい顔をしながら見ている人はほとんどいません。ってゆーか、そんな見方絶対に無理!

一言で言えば、「なんか触ってみたい」。そういう感覚を引き起こしてくれる魅せ方。

よしず張りの床が再現されていて、一部靴を脱いで会場内を鑑賞するのですが、靴を脱ぐとなんだか気持ちが落ち着いて、リラックスできてしまうのは日本人だからでしょうか。展示空間は大きいんですが、所々誰かの家(むしろ藤森さんの家?)にいるような溜まり場的なスペースが設けられていて、座っても、あぐらをかいても、寝そべっても、何してもOK。高さ4mほどの土の山がぽこぽこと盛り上げられていて、気分は地底人。もしくは宮崎駿ワールドにダイブです。

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そして極めつけは、縄で編まれたモンゴル人もびっくりな空間の中にもぐりこんで鑑賞する路上観察学会によるスライドショー。100%トマソン!!もう笑いが止まりません。


5/14の藤森さんと石山修武さんのトークショーにも行ったのですが、長年良きライバルで刺激をし合ってきた二人だけに面白かった。冷静にブラックな毒でもって本質を突く石山さんは相変わらずで、そんな毒にもまったくびくりともせず独自の大らかさで跳ね返してしまう藤森さん。
石山さんは「笑わない世界はキケンですよ」とどこかの国の建築界を隠喩したようなことを言っていたが、藤森さんはほんとに良く笑う。そして自分の作品を自画自賛する。

今回の展覧会で初めて藤森さんのトークを聞いたのですが、すごい気持ちがいい人だ。
そしてそんな人、そんな人たち(縄文建築団)が作るからこそ、彼の建築は気持ちがいい。


笑う建築家が作った笑う建築を見に是非!
そして笑ってください。

これはほんとうにおススメです。

ちなみに藤森さんは世間一般からはこんな感じで紹介されています>>>

最後に、藤森さんに興味ある方はこちらをどうぞ。
数ある藤森さんに関する書籍のうち、ちょっと古いですが一番のお勧めはこれですね↓

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路上観察学会の南伸坊さんと、建築史家の中川さんの話が面白いです。
詳細はこちら(2004年11月号)>>>
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by hayatao | 2007-06-10 04:06 | 展覧会
マリーザ・モンチ ライブレポート
5/30、行ってきました。
Marisa Monte(マリーザ・モンチ)@Bunkamuraオーチャードホール。

運よく2列目中央という最高の席で酔いしれた2時間弱。
マリーザとメとメで語り合った2時間。

幻か?

そうだ、きっと幻だ。そうに違いない。
あの日、あのホールには間違いなく天使がいた。

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ブラジル人はもちろんのこと、世界中のファンから愛されるブラジル音楽界の至宝、マリーザ・モンチ。
ブラジルでは見ることができず、今回念願叶って初めて見ることができました。
ライブにはブラジル人も結構来ていて、オーディエンスが大声でマリーザに話しかけたりするブラジル式なシーンが多々あったり、終盤にはマリーザが自ら「ステージの近くに踊りにおいでよ」と言わんばかりのしぐさで、来るわ来るわ。ステージ周辺はあっという間にダンスホールに。熱狂的な日本人ファン以外はほとんどがブラジル人だったけど、僕ももれなく2列目で熱唱!"Velha Infancia"と"Ja sei namorar"は完璧!(歌詞を教えてくれたminha sogra, I先生ありがとう!)

といった感じでライブ中はどっか他の世界に行ってしまっていたので、ようやく落ち着いてレポートできる状態になったのでご報告~~

***

昨今でこんなに打ちのめされたライブは、カエターノのライブ(2005年)以来でした。カエターノのライブをオペラのようなスペクタルな総合芸術とするならば、マリーザのステージは、まさに天使の舞。その細い体からは考えられないような力強い透明感のある美声。そして、体全体を使った豊かな表現力。

あれはダンスとは違う。演技とは違う。マリーザまで2mの距離でずーと彼女を見ていてよくわかったのですが(正直言って終始ドキドキだよー!)、笑顔はもちろん素敵なのですが、1曲1曲に対して表情がすごく豊かで、そしてその感情がそのまま体の動きに繋がっていて、、、脳学者の茂木さん的に言えば、感情が意識と覚醒のレベルを調節する脳幹を通過せずに、体の動きをコントロールする小脳にそのまま直結している状態っていうのだろう。か。
たとえポルトガル語がわからなくても、その姿を見ているだけで何を言おうとしているのか、何を語ろうとしているのか、全て伝わってきそうな表現力だったと思います。あんなに感情がこもった歌い方をする人、初めて見ました。

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マリーザの動きからは女性しか表現できないような"流れ"、"柔らかさ"を感じます。男では決してまねのできない動き。手の先だけを追ってみると、とてつもなく美しい曲線を描いているのでしょう。それはオスカー・ニーマイヤーの曲線やHelio oiticicaのインスタレーションに通じるものがあります。と言わせて。笑

どれをとっても「美しい」。
ほんとに「美しい」という言葉がぴったり来る人だと改めて思いました。
それは美貌と美声を併せ持ったマリーザというのもあるかもしれませんが、むしろその振舞い、表現力こそが美しかった。
Dadiをはじめ9人の超職人的玄人を引き連れたバンドであることを承知の上で言っても、マリーザの輝きは際立っていました。(前方右側に座っていたViolao奏者、Pedro Mibielliくんもいい表情してたな。)


一行は今頃ソウルなのかな。
名古屋→東京→ソウル→マカオとアジアツアーを終えてツアーラストは8月にサンパウロで行われる模様です。
次回は日本ではなくブラジルで聞かなきゃ!
ほんとにarigatoマリーザ。

マリーザ・モンチ公式サイトはこちらから>>>
アテンドを勤めた盟友megyuのページはこちらから>>>
きれいな写真がいっぱいのライブレポートはこちらから(ZEPP名古屋)>>>


以下、一ファンとして・・・

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黒いマリーザ。赤いマリーザ。きみはどっち。


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動きの"流れ"が全く通じませんが笑、味わってください。プチ臨場感。写真をつないだだけなので勘弁して。

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最後にマリーザ姫からのbeijoをお裾分け~。
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by hayatao | 2007-06-01 04:34 | ライブ



「すべての道はブラジルに通ず」リオ育ちの日本人による徒然日記。ブラジルの建築・デザイン・サッカー関連のことが中心です。建築設計事務所での修行を終え08年12月よりサンパウロ勤務。カステラ工房主宰。
by hayatao
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「Save the 下北沢」Save the 下北沢
僕は世田谷区による下北沢再開発計画を断固として許さない!ブラジル南部の環境都市、クリチーバ市の元市長のジャイミ・レルネル氏も代替案を提案しています。

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