【ブラジル旅2007】思わぬクリスマスプレゼント
b0020525_7532426.jpg
クリスマス当日、朝9時のAv.Paulista。恐ろしいほど人がいません。正にお正月の東京と同じですね。お店もBanca(キオスク)も何もやってませーん。やっているのはPadaria(軽食屋)のみ。異様な静寂です。

b0020525_7544068.jpg
地下鉄もほら、この通り。人いねーー。少々身の危険すら感じます。けど、ここはさすがのサンパウロ。ちゃんと電車は来ます。


そんなクリスマスの日、僕はどこに行ったかといえば・・・

b0020525_7551526.jpg
ココです。これだけでわかったあなたはマニアです。


b0020525_7571645.jpg
コレでお分かりになる人も多いと思います。


b0020525_7581018.jpg
(上の白黒写真:書籍"Oscar Nimeyer em Sao Paulo"より抜粋)

そうです。オスカー・ニーマイヤーによる1962年の名作集合住宅、Edificio Copan(コッパンビル)です。
昨日友人の伝で知り合いになったMさんがこのアパートにお住まいということで、早速お邪魔させていただきました。外観は何回も見に来ましたが、中に入るのは初めてです。念願叶い、朝から大興奮です。
<物件データ>
名称:Edificio Copan
住戸数:1,160戸
住人数:5,600人
延床面積:120,000㎡
各住戸面積:26㎡~350㎡
構造:鉄筋コンクリート造
階数:32階建て(最大高さ:140m)
住所:Avenida Ipiranga, 200- Centro, Sao Paulo

b0020525_11172636.jpg
ちなみにこのCOPAN、ニーマイヤー氏自身は氏の作品としてはあまり認めていないようです。
というのも、もともとこの住宅は、 Companhia Pan-Americana de Hoteis e Turismoという会社からホテルとオフィスの複合建築物を依頼されて設計されたもので、オリジナルの設計からはかなり変わってしまったものが今の姿だというからです。建築家の仕事としてはよくある話ですが、Copanがここまで有名になってしまった今、ニーマイヤー氏も中々「これは自分の設計ではない!」と言うのは難しいところじゃないでしょうかね。

オリジナルの面影は、上の写真のような70を越える1階の店舗を見れば伝わってきますね。写真ではあまり伝わりませんが、その1階は自然のスロープを生かしたつくりになっていて、坂の多いサンパウロの街らしい集合住宅ですね。

b0020525_10321347.jpg
うん?100?これはもしや・・・


b0020525_9355712.jpg
そうなんです。これはブラジル住宅美術館とサンパウロ州文化局が、12月15日に100歳を迎えたニーマイヤー氏を記念して、サンパウロ市内の100の名作建築物をセレクトしたプロジェクトで、このCOPANももちろん選ばれています。

b0020525_7595371.jpg
1階にはこんな案内図があります。入口はブロックAからFまで。一つの集合住宅といっても、ブロックによってかなり家賃が違います。ちなみに最も高い最上階は分譲価格で1億円以上するそうです。


b0020525_85471.jpg
アパートの方位は全体像はこんな感じです。
これではちょっと説得力に欠けるので、google mapでも見てください。
→google mapで見てみる


b0020525_9204142.jpg
これは西側の住戸からの眺望です。西日を防ぐために深いルーバーが建物の表情を特徴付けています。この水平方向のルーバーが建物全体の曲線を強調する仕掛けになっています。実は窓を開ければこのルーバーに出ることができるみたいです。でもかなり恐いよなぁ・・・


b0020525_12285529.jpg
一方、こちらは東側のファサードです。約3mピッチでグリッド分けされ、一つ一つのマスには風と雨を防ぐ穴あきブロックがスクリーンとして積み上げられています。手前の螺旋階段は5年ほど前にリフォームされました。


b0020525_12342261.jpg
中から撮ったものです。開口部とスクリーンの間には30cmほどの空間が設けられています。住人Mさんによると、このスクリーンのおかげでスコールなどの雨が降った時でも、そんなに雨が入り込んでこないようです。でも、この狭い空間の掃除は恐くて出来ず、掃除屋さんに頼んでいるとのことです。


b0020525_12371310.jpg
走り書きしたMさん宅のプランです。ここは一人暮らし用の間取りですが、十分すぎる広さです。特徴的なのは、窓際にCOZINHA(台所)がある点でしょう。ベッドも窓際に置いてあります。参考までに聞いたところ、家賃は40000円弱とのこと。

日本の家のように玄関スペースはありませんが、玄関ドアの脇に天高いっぱいのシェルフを置くことによって、外部の人が訪れても部屋の内部が見えにくくしている点などはMさんのセンスの良さが伺えます。普通ブラジル人の家はあんまりこういうことまでしないです。予め収納が設置されていないだけに、この空間の使い方は住人に委ねられています。


b0020525_12441155.jpg
その窓際にある台所です。Mさんはここに洗濯機や物干しスペースなども設けていました。スクリーン越しにサンパウロのスカイラインを見ながら料理できるなんてステキです。ちなみに、夜景はほんとにすばらしいということです。


b0020525_12455797.jpg
ベッドスペースです。スクリーンがちょうどよい曖昧な目隠しのようになっていて、普段はあんまりカーテンを閉めないんだそうです。ベッド上のペンダントライトはMさんが取り付けたもの。お洒落です。

最初は少しだけお邪魔させていただく予定が、お昼ごはんをご馳走になり、さらにMさんご自慢のビジオケ(ビデオカラオケ)が登場!話していて日本好きなのはわかっていたのですが、聞くところによると、藤井フミヤが大のお好みというじゃないですか!!ブラジル人でフミヤ好きは初めて見つけました。夜明けのブレスが出るかぁ?と思ったが、ビジオケはテレサ・テンさんや長渕剛、谷村新司でした。

まさかコッパンでテレサ・テンを聞くことになろうとは・・・笑。
でも、これが意外とマッチするんだ~。

オマケにこのCopanとほぼ同時期に建てられた日本の高層集合住宅でも・・・

b0020525_1139576.jpg
『晴海高層アパート(日本住宅公団+前川國男、1958年竣工)』
日本の戦後集合住宅の礎を築いたといわれる名作は、残念ながら1997年に取り壊されてしまいました。

いまだ住人のみならずサンパウロ市民からも愛され使い続けられているCopan。
一方、団地再生という大義名分で一方的に取り壊されてしまった晴海高層アパート。
二人の巨匠が手がけた名作と言われるこの二つの集合住宅は、同時期に建てられながら全く違った道を歩むことになったわけですね。
さて、文化的に豊かなのはどちらでしょうか?


というわけで、Mさんにはとってもお世話になりました。
ブラジル人のこういうホスピタリティと言うか、面倒見のよさはほんとに見習うべきところです。自分にとっては最高のクリスマスプレゼントになりました。



クリスマスでどこもやっていないため、夜は友人宅にてお友達たちとクリスマスパーティをすることになりました。僕は昨日市場で買ってきたベテハーバ(ビーツ)の担当。実は大好物。

b0020525_14455981.jpg
日本だと高価なビーツもこっちではレストランに行けば必ず置いてある物です。以前の職場では、ブラジル人からはよく「食べるものに困ったら栄養価の高いベテハーバだけでも食べなさい。」とよく言われていました。


b0020525_14485368.jpg
1時間茹でると皮はスルリと剥け、柔らかーくなりました。この色がこれまた綺麗なんですね。


b0020525_1450842.jpg
今日のメインディッシュはムケッカ!友人が作るムケッカは並みのレストランよりも絶対に美味い!!日本じゃこんなにおいしく作れないー。何が違うんだろ?


b0020525_1453180.jpg
友人からのサプライズはマラドーナ公認ワイン。その名も『マラドーナの血!』(嘘)
当の本人のような灰汁の強さはなく、すごく飲みやすいアルヘンチーナワインでした。ごちそうさまでした!



それでは、今日の一品。

b0020525_15145877.jpg
セントロ付近のバス停です。こういう形のバス停が市内ではちょこちょこと見られます。単純な作りなんだけど、微妙なカーブがカッコいい。
[PR]
by hayatao | 2008-01-11 08:15 |
<< 【ブラジル旅2007】ブラジル... 【ブラジル旅2007】市営市場... >>



「すべての道はブラジルに通ず」リオ育ちの日本人による徒然日記。ブラジルの建築・デザイン・サッカー関連のことが中心です。建築設計事務所での修行を終え08年12月よりサンパウロ勤務。カステラ工房主宰。
by hayatao
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
information
★web制作から撮影、インテリアデザイン、建築設計までカステラ工房ではトータルにデザインを承ります。
ご依頼、ご相談はこちらへ
castellakobo@gmail.com
----------
「Save the 下北沢」Save the 下北沢
僕は世田谷区による下北沢再開発計画を断固として許さない!ブラジル南部の環境都市、クリチーバ市の元市長のジャイミ・レルネル氏も代替案を提案しています。

----------
人気blogランキングへ
カテゴリ
全体
ブラジル
日本のブラジル
お建築
デザイン
MPB
お仕事
東京散歩
サッカー
展覧会
ライブ

映画
下北沢
音楽

姪ちゃん
Works
時事ネタ
未分類
以前の記事
2009年 05月
2009年 02月
2008年 12月
more...
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
なかのひと