笑う建築家と笑う建築
たまには日本の建築の話でも・・・

職業柄、都内でやっている建築系の展覧会にはなるべく足を運ぶようにしているのですが、ここ数年間で見た展覧会の中で最も"面白くて、笑って、夢のある世界を見せてくれる"展覧会に出会いました。

b0020525_2521790.jpg「藤森建築と路上観察
第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展 4/14~7/1」
at 東京オペラシティギャラリー

この展覧会、昨年の第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展で開催された「藤森建築と路上観察:誰も知らない日本の建築と都市」の帰国展覧会です。
展覧会詳細についてはこちら>>>

建築史家・建築家の藤森照信さんと言えば、路上観察学会のメンバーでもあり、建築探偵団の主催者でもあります。今をときめくスター建築家、伊東豊雄氏曰く、「実際に建築を<見る>ことにかけて彼の右に出る者はいない。」

藤森さんについてはこちら>>>
路上観察学会についてはこちら>>>
その路上観察学会のメンバーが集まった豪華なオープン記念講演(4/26)にも行ったのですが、未だかつて経験したことのないほど"笑った"講演会でした。超満員だった会場は笑いが絶えることなく、僕らには決してない団塊世代のみなぎるパワーみたいなものを垣間見た気がします。

それはさておき、長年東大と言うアカデミックな場所で日本の近代建築を研究してきた藤森さん。実ワ、東北大学の学生時代、小田和正氏と同級生。・・・ま、それはいいとして、そんな彼が建築家としてデビューしたのが44歳の時(1991年)。郷里の長野県茅野市の依頼で作った「神長守矢史料館」でした。世間的に藤森さんの建築が広まったのは、1995年の自邸「タンポポハウス」じゃないでしょうかね。

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↑「神長官守矢史料館」長野県茅野市(1991年)

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↑「タンポポハウス」東京都国分寺市(1995年)

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↑「高過庵」長野県茅野市(2004年)
そしていまや代表作と言われる、長野県茅野市の高過庵(たかすぎあん)。
3本の柱で支えられた高見台。(本当は2本で支えたかったとおっしゃってしましたが。。)
一度見たら忘れられない強烈な御姿です。

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↑「ラムネ温泉館」大分県竹田市(2005年)
個人的に好きな作品。素材の組み合わせと、たてものの表情が天才的。

作品はこれくらいにして、今回の展示の話をしましょう。

いわゆる建築系の展覧会に良くある、キレイな模型とズバっと決まった写真、そしてコンパクトにまとめられた密度の薄い図面で見せる手法とは全く違います。そして客層も違う。建築系の展覧会には珍しく、女性が圧倒的に多い。それに腕を組んで難しい顔をしながら見ている人はほとんどいません。ってゆーか、そんな見方絶対に無理!

一言で言えば、「なんか触ってみたい」。そういう感覚を引き起こしてくれる魅せ方。

よしず張りの床が再現されていて、一部靴を脱いで会場内を鑑賞するのですが、靴を脱ぐとなんだか気持ちが落ち着いて、リラックスできてしまうのは日本人だからでしょうか。展示空間は大きいんですが、所々誰かの家(むしろ藤森さんの家?)にいるような溜まり場的なスペースが設けられていて、座っても、あぐらをかいても、寝そべっても、何してもOK。高さ4mほどの土の山がぽこぽこと盛り上げられていて、気分は地底人。もしくは宮崎駿ワールドにダイブです。

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そして極めつけは、縄で編まれたモンゴル人もびっくりな空間の中にもぐりこんで鑑賞する路上観察学会によるスライドショー。100%トマソン!!もう笑いが止まりません。


5/14の藤森さんと石山修武さんのトークショーにも行ったのですが、長年良きライバルで刺激をし合ってきた二人だけに面白かった。冷静にブラックな毒でもって本質を突く石山さんは相変わらずで、そんな毒にもまったくびくりともせず独自の大らかさで跳ね返してしまう藤森さん。
石山さんは「笑わない世界はキケンですよ」とどこかの国の建築界を隠喩したようなことを言っていたが、藤森さんはほんとに良く笑う。そして自分の作品を自画自賛する。

今回の展覧会で初めて藤森さんのトークを聞いたのですが、すごい気持ちがいい人だ。
そしてそんな人、そんな人たち(縄文建築団)が作るからこそ、彼の建築は気持ちがいい。


笑う建築家が作った笑う建築を見に是非!
そして笑ってください。

これはほんとうにおススメです。

ちなみに藤森さんは世間一般からはこんな感じで紹介されています>>>

最後に、藤森さんに興味ある方はこちらをどうぞ。
数ある藤森さんに関する書籍のうち、ちょっと古いですが一番のお勧めはこれですね↓

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路上観察学会の南伸坊さんと、建築史家の中川さんの話が面白いです。
詳細はこちら(2004年11月号)>>>
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by hayatao | 2007-06-10 04:06 | 展覧会
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「すべての道はブラジルに通ず」リオ育ちの日本人による徒然日記。ブラジルの建築・デザイン・サッカー関連のことが中心です。建築設計事務所での修行を終え08年12月よりサンパウロ勤務。カステラ工房主宰。
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