今日は久しぶりに映画のことでも話そう。
ここ最近見た映画。 「MI3」(2006年アメリカ) 「ALWAYS 3丁目の夕日」(2006年日本) 「ランド・オブ・プレンティ」(2004年アメリカ、ドイツ合作) 「そして、ひと粒のひかり」(2004年コロンビア) 上の二つはもう言わずと知れた有名作品なので手短に。 ●「MI3」は女優がイマイチだったけど、2よりはよかった。 トムが走る走る。おっさんが走るスピードじゃないぜあれは。 冒頭の20分でカーアクション、エロチシズム、ミステリーを入れ込む手法は さすがハリウッドの王道映画です。 なにはともあれ映画館で見ることをお勧めします。 ●「ALWAYS 3丁目の夕日」は白黒テレビが出始めた昭和30年代の東京を舞台に、 人情味溢れる下町の人々の心温まるエピソードが繰り広げられる作品。 建設途中だった東京タワーのCGが話題になっていたので、最初はCGの精度ばかりを 見ていましたが、いつの間にか登場人物に感情移入してしまい涙、涙、涙。 やっぱり自分は昭和の人間だ。DVDでぜひ。映画「力道山」も気になる。 ●「ランド・オブ・プレンティ」は巨匠ヴィム・ヴェンダースによる作品。 イスラエルで育ったアメリカ人のラナは、亡き母の手紙を伯父ポールに渡すために10年ぶりにアメリカの地を踏む。伯父はベトナム帰還兵。9.11以来、アメリカを守ろうと自警団のようなものを作って警備(特にアラブ人)を続けていた。そんな彼らがアラブ人の殺人事件をきっかけに再会。ラナはその遺体を家族に渡すため、ポールは事件の真相を究明するために、一緒に旅立つことに。 9・11後、平和主義的なスタンスで描かれた映画作品の中では、ずば抜けて良かった。 「ベルリン天使の詩」「パリ、テキサス」をはじめ、ヴェンダース作品には独特なテンポと映像美いうものがありますが、この作品も然り。彼が訴えるメッセージはピースフルなものなんだけど、それをことさら強調するような内容ではなく、行間と映画全体の持つ雰囲気によってメッセージを伝えてしまう演出には脱帽です。 ●で、今回のイチオシ作品「そして、ひと粒のひかり」について。 コロンビア、ボゴタの小さな田舎町に住む17歳のマリアは、家計のためにバラ農園でトゲ抜きのバイトをしていたが、上司との確執で仕事をやめることに。と同時に、付き合っていた彼氏の子どもを妊娠。どうしてもお金が必要な彼女は、パーティで知り合ったフランクリンという若者から、カプセルに詰め込んだドラッグを胃の中に飲み込み、ニューヨークへ密輸する仕事を紹介され、報酬ほしさに引き受ける。彼女は、袋が体内で破れたら死んでしまう危険を知りつつ、62粒のドラッグを飲み込むのだが・・・ コロンビアの「City of God (原題:Cidade de deus)」。DVDパッケージの帯にはこう宣伝してあったが、一体誰がこんな安っぽいコピーをつけたのか。「City of God」は、監督のフェルナンド・メイレレスがリオのスラムの一部を切り取り、コミカル&スタイリッシュに編集することによって売れる映画へと実現させたのに対し、今回の映画はその対極にある。演出などもいたって地味で淡々とストーリーは進行して行くが、その素朴さこそが正にコロンビアの素顔を描き出しているようだった。また"貧しい"という解説文が目に付くが、マリアの家族はいわゆる貧困状況ではないし、普通の人が送る普通の生活だ。(日本人の平均的な生活レベルで考えたら、そりゃー南米の国の人は金銭的には貧しいさ。)もし前出の「City of God」との共通点を強引に言い当てるとすると、単に南米ということだけ。・・・まぁそんなところにあんまり言及してもつまらないか。 この映画の見所は、普通に生活を送っていた17歳の女の子マリアが、離職と妊娠、そしてフランクリンとの出会いをきっかけに、ドラッグの運び屋となり、あっという間に闇の世界に入っていく彼女の姿と麻薬大国コロンビアの社会的な背景。一方で、17歳ながら自分の価値観、良心と現実との間をもがくマリアの姿。映画のエンディングで彼女が出した答えには妙に納得してしまった。 南米好き+社会派シネマ好きにとってはたまらない秀作です。 DVDでレンタルできるのでチェックしてみてください。 「そして、ひとつぶのひかり」サイトへ>>> それにしても、800人以上のオーディションから選ばれた主役のカタリーナ。 めちゃめちゃ美人というわけではないんだけど、妙に惹かれます。
by hayatao
| 2006-07-19 03:16
| 映画
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by hayatao
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