昨夜はドキュメンタリー映画について書いたのでその延長に。。。
少し前になるが、友人C姉が宣伝の仕事をしているドキュメンタリー映画を見に行った。 その映画の題名は・・・『送還日記』。 さて、この映画、正直言って友人C姉からの紹介がなければ見に行かなかっただろう。 『北朝鮮』『元政治工作員』というキーワードだけで「よしこれは見に行こう!」とはなかなか思えなかった。もっとぶっちゃけると、個人的にはまったく意欲がそそられないテーマともいえた。 実際、ここニッポンで生活していると、「北朝鮮・工作員=拉致」というイメージがまかり通っており、問題意識を持って様々なベクトルから情報を収集し意見を持たなければ、先のネガティブな構図一辺倒になってしまう。ニッポンはブラジルほどメディアに左右される国ではないとは思うが、他諸国同様に、少し気を抜けばメディアという強力な権力によってすぐにコントロールされてしまう。 いや、殊に『北』ということに関して言えば、メディアだけによるものだけではないかもしれない。 ニッポンにとって北朝鮮はすぐお隣さん。歴史を振り返ってみても今まで色々な関係が築き上げられてきた。が、もう一つのお隣さんである韓国が空前のブームになり、韓流ブームに便乗して韓国の多様なカルチャーが紹介されているのとは裏腹に、北朝鮮の情報は相変わらず閉ざされ不気味なままだ。 誇らしげなニュースキャスターのアナウンスをバックに、綺麗な服を着て満面の笑みを浮かべながら国旗を振り、金正日の写真を前に泣き崩れる国民たち・・・。北朝鮮と言われると、そんなチュチェ思想を前面に押し出したプロパガンダ的な映像が浮かんでしまうのは、きっと僕だけではないはずだ。 前置きが長くなりましたが、そんな先入観を抱きつつC姉に会いに行くつもりで見に行ってきました。 12年もテープを回し続けたのだから当然と言えば当然なのだが、2時間30分近くの長作。ドキュメンタリーとしては高校時代に国語の授業で見せられた『ゆきゆきて、神軍』以来の衝撃作だった。『ゆきゆきて、神軍』では、奥崎謙三という超強烈なキャラクターがなければ成り立たない映画だったが、『送還日記』では、奥崎に劣らぬ強烈なキャラクターを持った元工作員のおじいさん達がたくさん出てきたが、それ以上に韓国人であるキム・ドンウォン監督とそのおじいさん達との会話やコミュニケーションが最大の見物だ。(映画界では監督が視線や主観を積極的に露わにするドキュメンタリーのことを「auteur documentary:オーテュール・ドキュ」と言うらしい。)映画が始まってまもなく、近くに座っていた北朝鮮か韓国のおばさんのすすり泣く声にびっくりしてしまったけど、「何も知らなかった」自分もどんどん引き込まれていきました。 是非僕と同じような北に関してほとんど興味がなかった人たちに見てもらいたい映画なので、 あえてここでは詳しくは述べませんが、少なくともニッポン人ならば潜在的に眠っている『北』というイメージが変わるはずです。 このご時世、この種のドキュメンタリーを公開するのには様々な困難が伴ったと思うけど、 お隣さんのことを知るいいきっかけになりました。 ありがとうC姉。 現在は渋谷シネ・ラ・セットのみで公開中ですが、今後大阪、福岡、兵庫など全国で公開されるみたいです。 『送還日記』オフィシャルサイトへ>>>
by hayatao
| 2006-04-08 01:50
| 映画
|
by hayatao
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