カエターノのライブに行ったのが先週の水曜日。
あれから怒涛の仕事量だった。。 ようやく落ち着いたのでゆっくりカエターノライブのレポート。。 正直言ってそれまでカエターノ・ヴェローゾという男に惚れこんだ事はなかった。 サンパウロでただ一度きり見に行った彼のライブも、そこまで自分の心を動かさず、むしろ熱狂的だった数千人の観客の方に感激させられたのを思い出す。カエターノの声が聞こえないくらい、観客が一緒に歌うもんだから、一体自分が誰のライブに来たのか分からなくなったからだ。笑 そんな熱狂的なカエターノファンではなかった自分だったが、、、、たった一夜で彼の虜になってしまった。 一言で言うならば「Maravilhoso」そのもの。サンパウロで観客達がそう叫んでいたが、まさかこの地球の裏側で自分がそう叫ぶことになるとは思わなかった。 CDで聞くよりも生音で聴いたほうがカエターノはうまいということはわかっていたが、以前ライブで聞いた時の声よりも明らかに艶があり、声量が大きかった。ただでさえ優しくて甘い声なのに。。。 全部で25曲を披露。当初は今回のツアーのタイトル通り、アルバム「A Foreign Sound」の曲ばかりかと思ったが、意外にもたくさんのポルトガル語の曲を歌ってくれたので大満足だった。 一番良かったのは、あのNovos Baianosのアルバム「Acabou Chorare」に入っている「Brasil Pandeiro」のカバー。曲を始める前にカエターノ自身がこの曲の成り立ちを英語で教えてくれた。どうやら、作曲者のAssis Valenteがアメリカに渡ったカルメン・ミランダのために作ったにもかかわらず、彼女がレコーディングせず、捨てられそうになっていた曲をジョアン・ジルベルトがNovos Baianosに教え、彼らが70年代にレコーディングして大ヒットしたということだったらしい。そういえば、サンパウロのLOJAS AMERICANAS(スーパーマーケット)のセールで買ったAssis Valenteのアルバムの中にこの曲が入っていたのを思い出した。 この曲でカエターノマジックにかかってしまった僕は、もう今までのライブとは違った感覚、言うならば他の聴衆の存在がかき消され、遥か彼方のカエターノが自分の目の前で歌っているような感覚を感じていた。 「Haiti」は、サンパウロのライブでも聞いたが、あのときよりも圧倒的に今回の音の方がよかった。僕の中ではあの曲はElza Soaresをイメージしてしまいがちだが、今回のカエターノでかなりそのイメージは払拭されてしまったみたいだ。 なにはともあれ、まだ興奮状態が冷めていない模様なのである。カエターノのライブは間違いなくオペラのような総合芸術の方面へ向かっていっているような気がした。 あれはただ声が良くて歌が上手いというだけでは決して作り出せないライブだ。還暦を迎えた一人のオッサン(と言ったら客席の最前列に陣取っていた熱狂的ファンに殴り倒されそうだが…。)とは思えないパフォーマンスは、言葉が分からない日本人の心にも相当強く響いたのだろう。ライブ終盤、ほとんど空席のなかった客席は、スタンディングオベーションがなかなか鳴り止まなかった。 このライブ、この夜は一生忘れられないものとなった。 ↑一番右にいるのがカエターノ。観客から何個もの花束をもらっていた。
by hayatao
| 2005-06-02 02:02
| MPB
|
by hayatao
information
★web制作から撮影、インテリアデザイン、建築設計までカステラ工房ではトータルにデザインを承ります。
ご依頼、ご相談はこちらへ castellakobo@gmail.com ---------- 「Save the 下北沢」 僕は世田谷区による下北沢再開発計画を断固として許さない!ブラジル南部の環境都市、クリチーバ市の元市長のジャイミ・レルネル氏も代替案を提案しています。 ---------- 人気blogランキングへ カテゴリ
全体ブラジル 日本のブラジル お建築 デザイン MPB お仕事 東京散歩 サッカー 展覧会 ライブ 旅 映画 下北沢 音楽 本 姪ちゃん Works 時事ネタ 未分類 以前の記事
2009年 05月2009年 02月 2008年 12月 more... ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||